ホルモン補充療法 

ホルモン補充療法(HRT)は魔法の薬

ホルモン補充療法とは? — 不足した女性ホルモンを安全にチャージ

ホルモン補充療法とは、加齢によって減少する女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)を薬で補う治療法です。特に、更年期初期に現れやすいホットフラッシュ(のぼせ、ほてり、異常発汗)に対しては、約2ヶ月で9割程度の改善が見られると言われています。

私がHRTを「魔法の薬」と表現するのは、ホットフラッシュの改善だけでなく、様々な効果が期待できるからです。

ホルモン補充療法で期待できる効果 — まるで魔法のような変化

  1. ホットフラッシュの改善
  2. 美肌効果
  3. 不眠の改善
  4. メンタルの不調を改善
  5. 骨粗しょう症の予防
  6. 手指のこわばり・痛み、手首・腰・膝の痛みの改善
  7. 動脈硬化の予防
  8. 歯周病の予防
  9. アルツハイマー型認知症のリスク低下の可能性
  10. 膣萎縮、性交痛の改善

ホルモン補充療法を受ける際の注意点 — 魔法は正しく使ってこそ効果を発揮

HRTは、上手く使えば更年期女性にとって「魔法の薬」とも言える効果が期待できますが、誰でも受けられるわけではありません。

HRTは、文字通り女性ホルモンを補充する治療法なので、女性ホルモンによって進行・悪化する病気にかかっている人、または過去にかかったことがある人には使用できません。そのため、HRTを始める前に、子宮体がん、子宮頸がん、乳がん検診などで異常がないことを確認する必要があります。

また、子宮がんや乳がんにかかってから10年以上経過している場合も、必ず医師に伝えるようにしてください。再発のリスクを考慮する必要があります。

子宮筋腫や子宮内膜症などの病気がある場合も、HRTによって症状が悪化する可能性があるため、注意が必要です。

さらに、血栓症の既往がある方、または血栓のリスクが高い病気(狭心症、心筋梗塞、脳梗塞など)にかかったことがある方も、HRTを受けることができません。

その他、肝臓病、腎臓病、高血圧で薬を服用している方、糖尿病でインスリン治療中の方、乳腺症のある方も、HRTを受ける際には注意が必要です。

必ず専門の医師の診察を受け、自身の病歴などを正確に伝えるようにしましょう。

ホルモン補充療法の種類 — 飲み薬、貼り薬、塗り薬、膣錠

HRTには、飲み薬、貼り薬、塗り薬、膣錠の4つのタイプがあります。

一般的に、飲み薬よりも皮膚から直接吸収される貼り薬や塗り薬の方が、肝臓への影響が少なく、中性脂肪への影響や乳がん、血栓症のリスクも小さいとされています。そのため、最近は貼り薬や塗り薬がよく使われています。ただし、貼り薬や塗り薬は、人によっては皮膚のかぶれを起こす場合があります。

HRTの薬代は、1ヶ月あたり1,000円〜3,000円程度で、更年期症状の治療であれば保険が適用されます。

どのタイプの薬を選ぶかは、症状や使い勝手、ライフスタイルなどを考慮し、医師とよく相談して決めることが大切です。

ひまわりからのメッセージ

HRTについて疑問や不安がある場合は、お気軽にひまわりにご相談ください。

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